過去最低倍率1.02倍 群馬県公立高校入試の現状と課題 ― 数字で見る第1回進路志望調査 ―/塾長ブログ
近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)
皆さんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
昨日、群馬県教育委員会が取りまとめた「第1回進路志望調査(10月1日現在)」の結果が発表されました。
中学3年生だけでなく、1・2年生にとっても今後の進路を考える上で大変参考になりますので、私なりの見解も含めて共有いたします。
7月に行った「高校入試のポイント保護者説明会」でお話しした内容とも重なる部分があります。
■ 全体の傾向
毎年行われている10月1日時点の調査ですが、今年は
過去最低の倍率 1.02倍(昨年1.05倍・最終1.00倍) となりました。
また、63校中34校が定員割れ(昨年比1校減) という結果です。
このまま推移すれば、最終倍率が1.00倍を下回る可能性もあります。
背景には、単純な少子化だけでなく、私立高校授業料の無償化の影響も考えられます。
ただし私立高校の定員が増えたわけではないため、やはり生徒数に対して学校数・定員が多いという構造的な問題があるようです。
■ 前橋エリア
全体的に倍率が下降傾向です。
昨年は定員割れが前橋清陵1校のみでしたが、今年は
前橋西(0.99倍・昨年1.01倍)、
前橋工(0.90倍・昨年1.17倍)、
前橋清陵の3校が定員割れとなりました。
トップ校では、
前橋高校 1.06倍(昨年1.14倍・最終1.12倍)、
前橋女子高校 1.06倍(昨年1.30倍・最終1.20倍)と、いずれも大幅に減少。
一方で人気を高めているのが
市立前橋高校 1.34倍(昨年1.29倍・最終1.22倍)、
前橋商業高校 1.36倍(昨年1.33倍・最終1.15倍)です。
一昨年の市立前橋が1.00倍だったことを考えると、この人気の理由は興味深いところです。
■ 高崎エリア
こちらも全体的にやや減少傾向ですが、榛名高校以外は全校定員を充足しています。
主要校の状況は以下の通りです。
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高崎高校:1.31倍(昨年1.30倍・最終1.31倍)
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高経附属:1.95倍(昨年1.93倍・最終1.14倍)
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高崎工業:1.43倍(昨年1.60倍・最終1.17倍)
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高崎商業:1.23倍(昨年1.33倍・最終1.26倍)
高高はほぼ安定していますが、高経附は昨年、近年で最も低い最終倍率となりました(約200名減)。
それでも合格偏差値は下がっておらず、無理をせず実力相応の高校を選ぶ傾向が見られます。
高北は1.05倍(昨年1.34倍・最終1.18倍)と大きく落ち込み。高経附からの流れ込みがあるかもしれません。
■ 渋川エリア
今年は渋川高校・渋川青翠高校で各40名ずつ、計80名の定員削減を実施。
それにもかかわらず、昨年に続き渋川4校すべてが定員割れとなりました。
人気回復は見られず、少子化の影響が顕著です。
定員削減をしてもなお、倍率は上がらない状況が続いています。
■ まとめと今後の見通し
高崎・前橋の一部高校に人気が集中する一方で、その他の地域では定員割れが進んでいます。
全国的にもトップ校で定員割れが起きている県があり、近い将来「前高定員割れ」といった見出しが出る日も来るかもしれません。
県としても高校再編の動きを進めていますが、すぐに大きな変化はないでしょう。
また、県全体では倍率が下がっても不合格率は6~7%(昨年度)。
定員割れ=全員合格ではありません。
受験まで4か月を切りました。
倍率に一喜一憂せず、「100%大丈夫」などということはありません。
気の緩みや慢心が命取りになります。
今できることに集中し、後悔のないように準備を続けてください。
ゲームやスマホは受験が終わってからでもできます。
高校受験は一度きりです。
この4か月、全力で勉強に集中しましょう。
[2025-10-23]