「そのうち何とかなる」は通用しない ― 小学生の算数が中学数学を壊す理由/塾長ブログ
近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)
皆さんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
今日は、小学生の学習がいかに重要かについて、私なりの考えを書きたいと思います。
中学生を日々指導していると、はっきりと断言できることがあります。
小学生のときの躓きは、必ず中学生で躓きとして表に出る、ということです。
「中学生になってから頑張れば何とかなる」
「成長すれば自然と理解できるようになる」
残念ながら、これは数学に関してはほぼ当てはまりません。
なぜ数学に限定して話すのか
特に顕著なのが数学です。
英語ももちろん重要ですが、小学生の段階では「本当に理解できていない部分」が見えにくい教科でもあります。
そのため、今回は数学に限定してご説明致します。
数学は4つの分野で成り立っている
中学校の数学は、次の4分野に分かれます。
-
数と式
-
関数
-
図形
-
データの活用
このうち「データの活用」は重要ではありますが、学習範囲は比較的狭く、主に中学1・2年生の3学期に少し扱う程度です。
小学校との直接的なつながりも弱いため、中学生から丁寧に取り組めば十分対応できる分野です。
「図形」も非常に重要ですが、今回のテーマである
「小学生の躓きが中学生にどう影響するか」
という点では、少し方向性が異なるため、今回は触れません。
本当に影響が大きいのは「数と式」「関数」
では、小学生のどんな躓きが中学生で大きく影響するのか。
それが
「数と式」「関数」
この2分野です。
特に小学生で圧倒的にウエイトが高いのが
「数と式」=計算分野です。
計算ができる=安心、ではない
小学生の算数では、
-
整数
-
小数
-
分数
といった計算を、かなりの時間をかけて学習します。
学校でも宿題や反復練習が多く、
「計算だけを見ると、それなりにできている」
という子は多いです。
実際、当塾に通っていた生徒を見ても、
計算そのものが全くできない子はそれほど多くありません。
では、どこで躓くのか。
ほとんどの子が躓く「割合」「速さ」「比」
多くの子がつまずくのが、
-
割合
-
速さ
- 比
この3つです。
小学生のうちは、何となく解けているように見えることもあります。
しかし、理解が曖昧なままだと、中学生になった瞬間に通用しなくなります。
「速さ」で本当につまずいているのは公式ではない
「速さ」の公式、いわゆる
「み・は・じ」
は、少し練習すれば多くの子が覚えます。
問題はそこではありません。
多くの子ができないのは、
「単位を揃える」ことです。
-
秒速・分速・時速
-
m・km
この変換ができない子は、本当に多いです。
実はここ、保護者の方でも
「少し怪しいかも…」
と思われる方は少なくないのではないでしょうか。
具体例で見る「理解できていない状態」
例えば、次の問題です。
300mを36秒で走った人の速さは、分速何mですか?
理解が不十分な子は、迷わず
「300 ÷ 36」
という計算を始めます。
すると
8.33333…
という割り切れない数が出てきます。
そこで
「おかしいな…」
「じゃあ8.3mくらいでいいか」
と、適当に答えてしまう。
これは計算ミスではありません。
考え方が全く分かっていない状態です。
本来やるべきことは何か
この問題で必要なのは、まず
36秒を分に直すことです。
-
1分=60秒
-
36秒 ÷ 60 = 0.6分
ここで既につまずく子は多いです。
そのうえで、公式に当てはめます。
-
道のり ÷ 時間
-
300 ÷ 0.6 = 500
答えは
分速500m。
やっていること自体は決して難しくありません。
しかし、
-
単位変換
-
割合的な考え方
ここが曖昧なままだと、中学数学の方程式で必ず躓きます。
「割合」は最もつまずく単元
割合で特に理解できていないのが、
-
何%
-
何割
そして
「くらべられる量」「もとにする量」「割合」
この関係です。
これが分かっていないと、
どの数字をどう使えばいいのか判断できません。
その結果、
とんでもない数が答えになる
ということが起こります。
公式があっても解けない理由
割合には公式があります。
しかし、
-
どれが「もとにする量」なのか
-
どれを求めているのか
これが分からないため、
適当に数字を当てはめてしまうのです。
例えば、
80円の30%は何円ですか?
この問題で求めるのは
くらべられる量です。
-
80円(もとにする量)× 0.3 = 24円
ですが、
-
30%を0.3に直せない
-
割合の意味がイメージできない
こうした子も少なくありません。
割合は「イメージ」と「演習量」がすべて
%も割も、
「全体を1としたときに、どれくらい占めるか」
という考え方です。
しかし、これを頭の中でイメージできない子は本当に多いです。
割合は、
-
説明を聞くだけ
-
解き方を覚えるだけ
では理解できません。
実際に手を動かし、何度も演習することが不可欠です。
比例・反比例は中学数学の土台
比例・反比例も、小学生で学んだ内容がそのまま中学につながります。
中学では、
-
中1:比例・反比例
-
中2:一次関数
-
中3:二乗に比例する関数
と形を変えて繰り返し登場します。
中1までは何とかなる子も多いですが、
中2以降は基礎ができていないと完全に手が止まります。
中1での躓きは中2以降で致命傷になる
中学1年生なら、まだ立て直しが可能です。
しかし、中1で理解できないまま中2に進むと、
取り返しがつかない差が生まれます。
数学は
「前に習ったことが分かっている前提」
で進む教科だからです。
私が一番伝えたいこと
小学生で習ったことは、小学生のうちに。
中学1年生で習ったことは、中学1年生のうちに。
それだけです。
小学4年生で躓けば、
高校3年生まで約9年間、
算数・数学が苦痛な教科であり続けます。
数学が苦手だった私だからこそ言えること
今は中学生に数学を教えていますが、
私自身、小学生から高校生まで算数・数学は本当に苦手でした。
授業もテストも、常に憂鬱でした。
だからこそ断言できます。
大きく躓く前に、必ず手を打った方がいい。
中学準備講座と春期講習について
今回は「中学準備講座」は中止となりましたが、
それを企画した理由はただ一つです。
中学校で自信を持って勉強を進めてほしいから。
今年は「春期講習」で対応しますが、
-
カラーテストで80点以下
-
算数に不安がある
こういった場合は、
中学に上がる前に必ず何らかの対策を考えてください。
家庭でできる現実的な対策
必ずしも塾である必要はありません。
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苦手単元だけを復習する
-
学年を遡ってドリルに取り組む
-
保護者が学習を管理する
先日、私自身も本屋で
「これは数学が苦手な子に良い」
と思うドリルを購入しました。
薄くても、要点を押さえた教材はたくさんあります。
本屋は今も最高の学習環境
今は本当に教材が充実しています。
本屋に行けば、必ずお子様に合った一冊が見つかります。
普段あまり本屋に行かない方も、
ぜひ一度お子様と一緒に足を運んでみてください。
それだけでも、
「今、何をすべきか」
が見えてくるはずです。

[2026-01-14]