がんばっているのに点が取れない子に、どう向き合うか/塾長ブログ
近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)
皆さんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
最近、ずっと頭の片隅にある悩みがあります。
それは 「どうすれば“努力しているのに結果につながらない子”を救えるのか」 ということです。
ここで言う「苦手な子」とは、勉強を全くしない子のことではありません。
むしろ テスト前にはしっかり勉強するし、与えられた課題も丁寧にやろうとする子 です。
しかし、結果を見ると数学で30点台、あるいはそれ以下。
当然落ち込み、またがんばる――
でも、なかなか成果が出ない。
■「反復」しても伸びない子がいる
多くの生徒にとって、成績が伸びない理由は比較的単純です。
反復量が足りない。
だから、ワークを繰り返しやり、定着すれば基礎が身につきます。
実際、これで結果が出る子は多い。
しかし、先ほどの子どもたちは違います。
✅ ワークをしっかりやる
✅ わからなくても、自分なりに答えを書く
✅ 誤答も多いが、繰り返すことに抵抗はない
…ところが、進んでいるように見えて、実は理解が進んでいない。
反復すると答えを覚えてしまうため、
ワークは「できるようになった気がする」。
でも、形を変えた問題を出すと解けない。
本質がわかっていないからです。
結果として、
定期テストでは何とか30点前後は取れても、
実力テストではまったく歯が立たない――
そんな状況になります。
■本質理解を優先すべきか、テスト対策を優先すべきか
これは指導する側からしても非常に難しい問題です。
短期的には
「今の単元を何とか理解させ、テストで点を取らせたい」
という気持ちがあります。
一方で、
本当は地道に基礎へ立ち返り、
時間をかけて理解を積み上げるべきなのも事実です。
ただ、後者を徹底すると
「中1内容を中3までかかってようやく…」
となる可能性すらある。
もちろん、理解を深めることは大切。
しかし、学校の授業やテストスケジュールは待ってはくれません。
さらに、
保護者の経済的負担
塾としての時間的制約
もあります。
この問題は、きれいごとでは解決できない現実があります。
■「本質がわからない」状態とは?
興味深いのは、
単に「理解が遅い」「勉強不足」ではないという点です。
こうした生徒の多くは
-
答え方がわからない
-
求められていることを言語化できない
-
手順を暗記しても応用ができない
といった「根本のつまずき」を抱えています。
たとえば数学なら、
・式の意味がわかっていない
・なぜその操作をするのか理解していない
・図や数量が頭の中で整理できない
こうした“基礎の基礎”の欠落が、
ワークの反復では埋まらないのです。
■本来なら「理解」を最優先したい
当然ながら、
本来であればゆっくり理解を積み重ねる学習が望ましい。
時間をかけて
「なぜ?」
を紐解き、
自分の言葉で説明できるようになる力を養う。
それができた生徒は、
後から必ず伸びます。
しかし――
現実には時間が足りない。
学校の授業は前に進む。
定期テストはやってくる。
受験は待ってくれない。
すると、
「テストで何とか点を取る方向に倒すべきか?」
という葛藤が生まれます。
■現場としてできること
万人に効く処方箋は、正直ありません。
ただ、現時点で私が大切だと思うことは、
-
つまずきの根を探る
→ 計算?言語化?図の読み取り? -
問題の「意味」を言わせる
→ 手順暗記から脱却させる -
小さく区切って積み上げる
→ 1つずつ理解 -
“できた気”を排除する
→ 類題でチェック
これを丁寧に繰り返すしかないと感じています。
ただし、一人ひとり違う原因を持つ以上、
効果が出るスピードにも大きな差があります。
■悩みは尽きません
立場としては、
本来こうした悩みを抱える保護者・生徒を
導く側であるべきでしょう。
ただ、現場で生徒と向き合っていると、
簡単に割り切れない現実にぶつかります。
「これが正しい指導だ」
と胸を張れない時もあります。
それでも、
目の前の子が少しでもできるように、
笑顔で帰れるように、
その先の人生に少しでも光が届くように――
その思いで、今日も試行錯誤しています。
答えのない問いと向き合う
この仕事の難しさでもあり、
同時にやりがいでもあります。
もし同じ悩みを抱える先生や保護者がいるなら、
ぜひ意見を聞かせてください。
[2025-11-07]