倍率0.97倍の時代、高校受験は本当に「楽」になったのか/塾長ブログ
近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)
皆さんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
先日、第二回進路志望調査の結果が公表されましたので、共有させていただきます。
すでに中学3年生の保護者様はご覧になっているかと思いますが、
10月1日実施の第一回進路志望調査では、全県倍率が1.02倍(過去最低)という結果でした。
そして今回の第二回調査では、さらに下がり0.97倍。
調査開始(平成5年)以降、過去最低の倍率だそうです。
なお、第一回から第二回にかけて倍率が下がるのは普通のことです。
12月は、私立高校を単願で受験する生徒がこの時点で公立高校を志望しなくなるためです。
私は平成元年受験世代ですが、第二次ベビーブームの真っただ中だったため、
当時は現在よりもはるかに高い倍率だったと記憶しています。
保護者様の中には、私より5歳以上お若い方も多いと思います。
ぜひ、ご自身が高校受験をされた頃の倍率を調べてみてください。
今との違いに、きっと驚かれるはずです。
「え?この学校が?」という定員割れ
今年は、
「え?この学校が?」
と思わず声が出るような高校で定員割れが起きています。
例えば、高崎北高校。
私が塾を開校した3~4年前までは、県内トップクラスの倍率を誇り、
高経附と1、2を争っていた学校です。
それが、わずか数年で定員割れ。
正直、私自身も驚きました。
これはあくまで私の推測ですが、
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男女共学
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偏差値58前後
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ある程度学力のある層が集まる学校
こうした層の生徒が、
「倍率の高い公立に無理して挑むより、授業料無償化のある私立を単願で受験し、より良い条件で進学する」
という選択をしているのではないかと思います。
特に女子は、その傾向が強いように感じます。
実際、この学校は女子の比率が比較的低く、その点からも推測ができます。
今回の調査が最後となりますが、過去の傾向から見ても、
最終的な出願状況は大きくは変わらないと考えられます。
「倍率が低い=楽に合格」なのか?
当塾の中学3年生の大半は、公立高校を受験します。
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定員をオーバーしている学校を受験する子
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定員割れしている高校を受験する子
さまざまです。
この状況を見ると、
「ほぼ競争がないなら、受ければ合格するのでは?」
と思われる方も多いと思います。
その考え方は、あながち間違ってはいません。
実際、当塾では過去に
定員割れしている高校を受験して不合格になった生徒はいません。
それも、偏差値的に「正直きついのでは?」と言われるような高校を受験した場合でも、です。
一方で、定員をオーバーしている高校は違います。
基本的に、定員分ぴったりしか合格しません。
そこから溢れた場合、確実に不合格になります。
同じ偏差値でも結果が真逆になる時代(※フィクション)
ここで、あくまでフィクションですが、例を挙げます。
A君の場合
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偏差値55の高校を志望
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本人の偏差値は48
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合格可能性20%(業者テスト)
しかし、その高校は定員割れ。
「ダメ元」で受験しました。
結果は合格。
点数開示を見ると、決して出来が良かったわけではなく、
むしろ「よく受かったね」という点数でした。
B君の場合
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偏差値48の高校を志望
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本人の偏差値も48
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合格可能性70%
当日大きなミスがなければ合格できる、という評価でしたが、
倍率は1.2倍。
結果は不合格。
点数開示では、普段よりも明らかに点数が取れていませんでした。
何が言いたいのか
A君とB君は、統一テストでは同じ偏差値でした。
それでも、結果は大きく分かれました。
今の時代、これは普通に起こり得ます。
もしB君がA君と同じ高校を受験していたらどうだったのか。
それは誰にも分かりません。
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学力相応を選ぶのが正解なのか
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時代を見て、チャレンジするのが正解なのか
どちらが正解・不正解という話ではありません。
ただ、私が一貫してお伝えしているのは、
高校は「入学して終わり」ではない
ということです。
入学後、3年間学び続けなければなりません。
学力差があまりにも大きいと、
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授業が分からない
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勉強が苦痛になる
ということも起こり得ます。
だから私は、
無理をさせない進路
入学後を見据えた進路
を基本にアドバイスしています。
それでも「挑戦したい」と本人が強く望むなら、
私は全力で応援します。
進路選択に「絶対の正解」はありません。
だからこそ、数字だけで判断せず、
その先の3年間まで一緒に考えていきたいと思っています。
[2025-12-19]