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優秀層はどこへ向かうのか ― 公立高校の現在地/塾長ブログ

近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)

 

皆さんこんにちは。

 

うえだ未来塾の上田です。

 

本日2月12日、令和7年度公立高校入試の最終志願状況が発表されました。

2月3日のブログで制度や全体傾向、地区別の状況に触れましたが、今回は「最終倍率に基づく地域別の動き」と、その背景について整理します。

一部の学校を除き、1回目から最終までで大きく動いた学校はほとんどありません。

数名単位の増減が中心で、制度上は志願変更が可能であっても、実際には大きな移動は起きていないことがわかります。


■ 県内上位倍率校

1位 高崎高校 1.26倍
2位 高崎経済大学附属高校 1.24倍
3位 伊勢崎高校 1.23倍
4位 桐生高校 1.20倍
5位 高崎工業高校 1.18倍

第2回までは高崎経済大学附属が1位でしたが、最終では高崎高校がトップとなりました。(科単位で見るとこれ以上高い高校はありますが、あくまで学校単位の倍率です)

県平均倍率0.96倍(第一回志願者倍率0.97倍)

第一回志願者倍率倍率から0.01ポイント下落。原因は私立併願の受験生が何らかの理由により公立高校受験を前に受験するのを止めたということになると思います。


■ 高崎地区 ― 安定の中の緩やかな変化

高校名 今年度 昨年度 一昨年度
高崎高校 1.26 1.31 1.24
高崎女子 1.06 1.16 1.15
高崎北 1.05 1.18 1.14
高崎経済大附 1.24 1.16 1.19
高崎工業 1.18 1.17 1.15
高崎商業 1.05 1.26 1.16

高崎高校は昨年より0.05ポイント下がりましたが、依然として高水準です。

高崎経済大学附属は昨年より0.08ポイント上昇。ただし第1回からは0.18ポイント下がっており、最終的には例年通りの水準に落ち着いた形です。

一方で、高崎女子・高崎北・高崎商業は昨年度より低下しています。特に高崎商業は1.26→1.05と大きく下げています。

人気校は一定の倍率を維持しつつも、周辺校では緩やかな低下傾向が見られます。


■ 前橋地区 ― 下降傾向が鮮明に

高校名 今年度 昨年度 一昨年度
前橋高校 1.12 1.12 1.20
前橋女子 1.05 1.20 1.09
前橋西 0.86 0.96 1.08
前橋工業 0.95 1.02 1.06
前橋商業 1.10 1.15 1.23
勢多農林 1.03 1.06 1.19
市立前橋 1.13 1.22 1.00

前橋西は0.86倍で、昨年度より0.10ポイント低下。一昨年度から見ると0.22ポイント下がっています。

前橋工業も1.06→1.02→0.95と3年連続で下降。
前橋商業も1.23→1.15→1.10と緩やかな下落。

複数校で継続的な下降傾向が見られます。単年度の偶然ではなく、構造的な減少と考える方が自然でしょう。


■ 渋川地区 ― 定員削減による“見かけ上”の改善

今年度より
・渋川高校 200名 → 160名
・渋川青翠高校 160名 → 120名
へ定員削減が行われました。

高校名 今年度 昨年度 一昨年度
渋川 1.03 0.86 0.92
渋川女子 0.98 0.95 1.11
渋川青翠 0.86 0.72 0.95
渋川工業 0.93 0.89 0.78

昨年は全校定員割れでしたが、今年は定員削減の影響もあり、渋川高校は1.03倍と定員割れを回避しました。

ただし志願者数そのものは年々減少しています。倍率上昇は母数を減らしたことによる側面が大きく、本質的な改善とは言い切れません。


■ 数字の裏側にある流れ

少子化
私立高校授業料無償化
学びの多様化
通信制高校の増加

これらが重なり、公立高校全体の志願者は減少傾向にあります。

その中で

・人気校への集中
・地域間格差の拡大
・一部地域での定員割れ常態化

という構図がより明確になってきています。

高校進学率はほぼ100%の時代です。
だからこそ、高校は地域を支える重要な存在です。

単純に「生徒が少ないから統廃合」という話で解決できる問題ではありません。

少子化は個人の努力で解決できるものではありません。しかし無関心でよい問題でもありません。

高校受験は単なる合否ではなく、地域の教育の未来を考える機会でもあります。

倍率という数字の奥にある流れを、ぜひ一度考えてみていただければと思います。

数字の裏側にある、もう一つの懸念

今回の最終志願状況を見ていて、もう一つ気になる点があります。

それは、
公立高校の人気低下と、私立高校への流れの加速です。

私立高校授業料の実質無償化が進み、設備・カリキュラム・進学実績などで特色を打ち出す私立高校が増えています。通学面でも交通網の整備により、以前より通いやすくなっています。

さらに現在は学区制が廃止され、県内であればどの地域の高校にも出願可能です。

つまり、
優秀な生徒ほど、より条件の良い学校へ移動しやすい環境が整っているということです。

その結果、

・地域の公立高校から優秀層が減少する
・倍率がさらに低下する
・学校の活力が弱まる
・さらに志願者が減る

という循環が生まれる可能性も否定できません。

これは決して公立か私立かという単純な優劣の問題ではありません。

地域の中核となる公立高校が弱体化すれば、その地域全体の教育力にも影響が出ます。


では、どうすればよいのか

正直に言えば、即効性のある解決策は簡単には見つかりません。

少子化は止まりません。
私立の魅力向上も止まりません。
学びの多様化も進みます。

しかし一つ言えるのは、
地域の公立高校が「選ばれる理由」を持ち続けられるかどうかが重要になるということです。

特色ある教育内容
魅力ある進路指導
地域との連携
部活動や学校文化の強さ

倍率という数字の裏側では、こうした“学校の価値”が問われています。

そして保護者や教育に関わる立場の人間も、
「どこが偏差値が高いか」だけでなく、
「地域にとって高校とは何か」
を考える必要があるのではないでしょうか。


高校受験は単なる合否の通過点ではありません。

地域の教育の未来を映す鏡でもあります。

今回の志願状況をきっかけに、
ぜひ一度、そんな視点でも考えてみていただければと思います。

[2026-02-12]