出席欄がなくなる。その先の『学び』はどうするのか/塾長ブログ
近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)
皆さんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
2026年度(2027年)の群馬県公立高校入試から、調査書の「出席欄」がなくなることをご存じでしょうか。
群馬県教育委員会から、令和8年度(令和9年)の公立高等学校入学者選抜について、その方針が公表されています。
[群馬県教育委員会 令和9年度群馬県公立高等学校入学者選抜について]
※ここに県教育委員会の公式資料(PDF)へのリンクを掲載
今回の変更は、不登校など、さまざまな事情で学校を欠席している生徒が、欠席日数によって高校受験の際に不利益を受けることがないようにすることなどが背景にあるようです。
私は、この変更そのものに否定的なわけではありません。
学校に行きたくても行けない、あるいはさまざまな事情から学校に通うことが難しい子どもがいることは事実です。
そうした子どもたちの進路の選択肢を狭めないようにすることは、大切なことだと思います。
ただ、今回のことを知って、私の中に一つの疑問が出てきました。
「では、その先の『学び』はどうするのだろう?」
ということです。
出席欄がなくなれば、高校入試において「欠席日数が多い」ということが、これまでとは違った扱いになるのでしょう。
それは分かります。
でも、出席日数をどう扱うかということと、子どもが学び続けられる環境をどうつくるかということは、別の問題ではないでしょうか。
学校に行くことが難しい。
それは、さまざまな事情があると思います。
では、その間の学習はどうするのか。
学習の遅れはどうするのか。
高校へ進学した後はどうするのか。
その先の進路はどうするのか。
私は、そこまで考える必要があるのではないかと思っています。
もちろん、群馬県としても不登校の子どもたちへの支援を進めていることは承知しています。
ただ、今回の「出席欄をなくす」という取り組みが、最終的に何を目指しているのか。
不登校そのものを減らしていくことを目指しているのか。
それとも、不登校という状況にある子どもたちの進路の選択肢を広げることを目指しているのか。
私自身、まだ十分に理解できていません。
そして、これは私が塾を経営しているからこそ、余計に気になることなのかもしれません。
実は、当塾にもこれまで「不登校サポートコース」がありました。
このコースを作ったのは、不登校の子どもたちを特別扱いしたかったからではありません。
学校に通っていないお子さんの場合、同じ学校の生徒と顔を合わせることを気にすることもあります。
それなら、時間帯を分けて、安心して学習できる場所を用意した方がいいのではないか。
そんな考えから始めたコースです。
しかし、5年間運営してきて、実際の状況を振り返ってみると、独立した「不登校サポートコース」という形である必要があるのか、改めて考えるようになりました。
そこで、当塾でもこのコースを終了し、今後は不登校のお子さまについても、必要に応じて通常のコースの中で対応していくことにしました。
これは、不登校のお子さまの受け入れをやめるということではありません。
「不登校だから別のコース」という分け方をやめる、ということです。
学校に通っているかどうかではなく、その子が今どのような状況にいて、何を学ぶ必要があるのか。
私は、そこを大切にしたいと思っています。
近年は、不登校の子どもたちの学びを支えるため、フリースクールやオンライン教材など、さまざまな選択肢が増えています。
これは、とても大切なことだと思います。
一方で、私は教育に関わる人間として、一つ忘れてはいけないことがあると思っています。
それは、
「その取り組みは、子どもの学びにつながっているのか」
ということです。
出席扱いになるか。
受験で不利にならないか。
進路の選択肢が広がるか。
もちろん、それらも大切です。
でも、それだけではなく、
「その子は、今ちゃんと学べているのか」
ということを考えたい。
私は、不登校の子どもたちを学校に戻すことだけが正解だとも思っていません。
学校以外の場所で学ぶことも、一つの選択肢だと思います。
だからこそ、制度を変えるのであれば、その先にある「学び」についても、同じくらい考えてほしいと思います。
私自身も、塾を経営する立場として、これからも考えていきたいと思っています。
そして、一人の群馬県民としても、
「子どもたちにとって、これからの群馬の教育はどうあるべきなのか」
を考えていきたいと思います。
出席をどうするか。
それも大切なことです。
でも、その先にある、
「子どもの学びをどうするのか」
についても、もっと考えていく必要があるのではないでしょうか。
[2026-08-31]