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高校選びの前に考えたい『将来の仕事』のこと/塾長ブログ

近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)

 

皆さんこんにちは。

 

うえだ未来塾の上田です。

 

さて、ここで保護者の皆さんに質問があります。

今のお仕事は、どのような理由で選ばれましたか。

子どもの頃から憧れていた職業だったでしょうか。それとも、進学や就職活動を経て、自分に合う仕事を見つけたのでしょうか。

おそらく多くの方が、「一言では説明できない」と感じるのではないかと思います。

好きなこと、得意なこと、学歴、資格、収入、働き方、家族の事情など、さまざまな要素が重なり合った結果として、今の職業に就いているはずです。

実際、世の中には非常に多くの職業があります。

厚生労働省の職業分類では、細かな分類まで含めると約1万8,000種類以上の職業が存在するとされています。

もちろん実際に私たちが目にする職業はその一部ですが、それでも選択肢は膨大です。

その中から自分の進む道を決めることは、大人であっても簡単なことではありません。

では、中学生はどうでしょうか。

私は仕事柄、多くの中学生と接しますが、「将来なりたい職業は?」と聞くと、「まだ決まっていない」と答える生徒が非常に多いです。

もちろん、本当はやりたいことがあるけれど恥ずかしくて言わない生徒もいるでしょう。

しかし、多くの場合は本当にまだ決まっていません。

これは決して悪いことではありません。

むしろ、中学生の段階で将来の職業が明確に決まっている方が少数派だと思います。

日本と海外では考え方が違う

興味深いことに、将来の仕事に対する考え方には国によって違いがあると言われています。

日本では、「安定していること」「長く続けられること」を重視する傾向があります。

そのため、

  • 公務員
  • 教師
  • 看護師
  • 会社員
  • ITエンジニア

など、比較的イメージしやすい職業が将来の選択肢として挙がることが多いようです。

一方で、海外、特に欧米では少し考え方が異なります。

「どんな職業に就くか」よりも、

  • 好きなことを仕事にしたい
  • 社会に貢献したい
  • 世界で活躍したい
  • 自分らしく働きたい

といった価値観を重視する傾向があると言われています。

つまり、「何になるか」ではなく、「どのように生きたいか」という視点で将来を考えるケースが多いということです。

もちろん国や個人によって違いはありますが、この考え方の差は非常に興味深いと感じます。

なぜ日本は安定志向が強いのか

私は、この違いの背景には日本の社会構造があると思います。

日本では長い間、

  • 良い高校へ進学する
  • 良い大学へ進学する
  • 良い企業へ就職する

という流れが一つの成功モデルとして考えられてきました。

現在は以前ほどではありませんが、その考え方は今も少なからず残っています。

そのため、中学生の段階から

「どの高校へ進学するか」

という話題が、将来の職業や人生設計と結び付けて考えられることが多くなります。

一方で海外では、大学入学後に専攻を変更したり、社会人になってから全く違う業界へ転職したりすることも珍しくありません。

そのため、中学生の段階では職業を一つに決めるよりも、自分の可能性を広げることを重視する傾向があります。

どちらが正しいという話ではありません。

ただ、日本の子どもたちは比較的早い段階から「失敗しない選択」を意識しやすい環境にあると言えるのかもしれません。

起業への意識から見える日本人の特徴

以前、中小企業庁の資料を見ていて興味深いデータがありました。

少し古い調査ではありますが、「起業に関心がない人」の割合は、

  • 米国:22.9%
  • 日本:77.3%

という結果でした。

もちろん、起業が良くて会社員が悪いという話ではありません。

実際、社会は会社員や公務員、医療従事者、技術者など、多くの職業によって支えられています。

ただ、この数字を見ると、日本人は比較的「組織に所属すること」を前提として将来を考える傾向が強いことが分かります。

逆に言えば、「自分で何かを始める」「挑戦してみる」という発想に触れる機会が少ないとも言えるかもしれません。

だからこそ職業を知る機会が必要

私は、小中学校の教育の中で、もっと職業について学ぶ機会があってもよいのではないかと感じています。

中学校では職業体験が実施されることがありますが、多くの場合は数日程度です。

もちろん貴重な経験ではあります。

しかし、それだけで世の中の仕事を理解することは難しいでしょう。

例えば、

  • 地元企業の見学
  • 地域で働く方の講演会
  • 実際の職場訪問
  • 様々な職業の体験活動

など、地域全体で子どもたちのキャリア教育を支える仕組みがもっとあってもよいと思います。

実際に働く人の姿を見ることで、

「こんな仕事があるんだ」

「こういう働き方もあるんだ」

「自分にもできるかもしれない」

という発見につながります。

そして、その経験は高校選びにも大きく影響するはずです。

高校選びの前に考えたいこと

私は塾で進路指導をする中で、高校選びが「偏差値」や「合格できそうかどうか」だけで決まってしまう場面をよく目にします。

もちろん、それらも大切な要素です。

しかし本来は、

「将来どんな大人になりたいか」

という視点も同じくらい重要ではないでしょうか。

将来の職業が明確に決まっていなくても構いません。

ただ、様々な仕事を知り、自分の興味や可能性を広げることはできます。

その積み重ねが、高校選びや大学選び、そして将来の職業選択につながっていくのだと思います。

先日書いた高校再編の話題も、結局は地域の子どもたちがどのような将来像を描くのかという問題と無関係ではありません。

高校は単なる進学先ではなく、その先の人生への入り口です。

だからこそ、「どこの高校に行くか」だけでなく、「その先にどんな未来を描くか」を考える機会がもっと増えてほしいと思います。

今日は少し普段とは違う切り口で書いてみました。

正解がある話ではありません。

ただ、「将来の仕事」や「高校進学」について考えるきっかけの一つとして読んでいただければ幸いです。

[2026-05-31]