県立高校入試における英語平均点の低さをどう考えるか?/塾長ブログ
定期テストと実力テストの“ズレ”をどう捉えるか
~高校入試で通用する英語力とは?~
近隣小中学校に通学中のお子様をお持ちの保護者様へ
みなさんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
今回は、「学校の定期テストでの点数」と「入試問題(実力テスト)での点数」との大きな乖離について、最近特に感じていることを共有させていただきます。
■ 高校入試・英語の平均点が急落…
今年3月に実施された群馬県立高校入試(英語)では、平均点が44.9点と、
前年(58.8点)から実に14点も下がりました。
下記のグラフ(群馬県HPより)を見ると、
一昨年までは「高得点層と低得点層の二極化」だったものが、今年は20~30点台の層が最も多いという、極端な分布になっているのが分かります。
■ 原因は「授業の理解不足」と「積み上げ不足」?
この現象の要因として考えられるのは、以下のような点です:
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中学校の教科書改訂(3年前)により、英語が格段に難化
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英単語の量・文法内容・リスニングのスピードなどが大幅増
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一部の問題でリスニング音声が1回のみに変更
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入試の一発勝負化(前期・後期の廃止)による影響
ただ、他科目はここまでの平均点の低下は見られません。
つまり、英語だけが飛び抜けて難しく感じられている。これは、学校の授業内容についていけていない中下位層が、想像以上に多いことを示しています。
■ 「定期テストで60点」は“安心材料”にはならない
学校の定期テストでは「60点取れているから大丈夫」と思っていても、
実際には実力テストや入試では50点未満になる生徒が少なくありません。
なぜか?
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定期テストは範囲が限られているため、対策がしやすい
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学校側が平均点60点前後に収まるよう調整して作っている
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難語や複雑な文法・読解問題は出題されにくい
一方で入試問題や統一テストは、総合力・語彙力・読解力・リスニング力など、すべての力が問われます。
つまり「定期テストで取れる=入試でも通用する」というわけではないのです。
■ 英語は“積み上げの科目”です
英語の実力が伸びない一番の理由は、
基礎である「英単語」「文法力」「語順感覚」「リスニング」などの積み上げが足りないこと。
特に入試レベルになると、
単語力・読解力・リスニング力の3つの柱が不可欠になります。
これが抜けていると、どんなに頑張っても平均点に届かない、ということが起きてしまうのです。
■ 対策は「早期の積み重ね」と「本質的な学力の強化」
英語が苦手なお子様には、まずは土台となる語彙力の強化、文法の理解、そして音声(リスニング)の習慣づけが必要です。
当塾でも、小学生から英語を受講している生徒は中学校の授業にもついていけており、中1の評定で「5」を取る生徒も出ています。
一方で中3の秋以降になって初めて英語の実力テストを受けると、
「定期テストでは取れていたのに、全然点が取れない…」ということが現実に起きています。
■ まとめ:今こそ“本当の英語力”を育てる時
英語や数学のような積み上げ型科目は、
時間をかけてコツコツと基礎を積み重ねていくことが唯一の近道です。
英検準2級取得者や、継続して語彙力を高めている生徒は、実力テストでも90点以上をマークしています。
ぜひ、学校のテストだけで安心せず、“本番で通用する力”を今から育てることを意識してみてください。
[2024-08-03]