丁寧に教えるほど結果が出にくい子がいる理由/塾長ブログ
近隣小中学校に通学のお子様をお持ちの保護者様へ(渋川・吉岡・榛東)
皆さんこんにちは。
うえだ未来塾の上田です。
「頑張っているのに点数が取れない子」への指導で、私が一度すべて見直したこと
勉強を全くやらない、やる気がないというケースであれば、対処は比較的シンプルです。
しかし実際に現場で悩むのが、「やっているのに結果が出ない子」です。
このタイプのお子様について、私自身も長い間試行錯誤を続けてきました。
どうすれば少しでもできるようになるのか、どうすれば点数につながるのか。
その中で、一度自分の指導方法そのものを見直す必要があると感じるようになりました。
今日はその中で「うまくいかなかった指導」と「そこから見えてきた方向性」について書いていきます。
■うまくいかなかった指導①:とにかく量をやらせる
「苦手だからこそ、たくさん問題を解かせるべき」
これは一見、正しいように思えます。
計算問題などは特に「慣れ」が必要だと考えがちです。
しかし実際には、これは逆効果になるケースが多いです。
その場では“できた気になる”ことはあります。
ただ、それは「理解した」のではなく「流れをなぞっただけ」になっていることが多いのです。
結果として、少し時間が経つとまた同じところで止まってしまう。
定着にはつながりにくいという問題がありました。
■うまくいかなかった指導②:考えさせることを重視しすぎる
「自分で考えさせることが大事」
「答えをすぐに教えず、質問で引き出す」
これも学習としては重要な考え方です。
ただし、すべての子に有効かというと、そうではありません。
特に苦手な子の場合、「自分で考えるための土台」がまだ整っていないことがあります。
頭の中で情報を整理すること自体が難しい状態で考えさせても、
どこから手をつけていいか分からず、止まってしまうことが多いのです。
■うまくいかなかった指導③:じっくり丁寧に時間をかける
「分かるまで丁寧に説明する」
「時間をかけて理解させる」
これは最も良さそうに見える方法かもしれません。
しかし実際には、その時間内だけ“分かった気になる”ケースが少なくありません。
そして次に一人で解くと、また同じところで止まってしまう。
つまり、理解ではなく“その場の納得”で終わっていることが多かったのです。
■ではどうすればいいのか
ここからが一番大事な部分です。
私が今意識しているのは、いくつかの方法を組み合わせた「シンプルな反復構造」です。
①説明は短くする
長い説明はしません。
必要最低限に絞ります。
②すぐに再現させる
説明した内容を「自分の力で再現できるか」を確認します。
ここができなければ先に進みません。
③1問だけ演習する
演習はたくさんやらせません。
まずは1問だけ。
そのとき、解き方を見ても構いません。
「自力で解くこと」よりも「流れをもう一度たどること」を優先します。
④同じ問題をもう一度解く
直後にもう一度同じ問題を解かせます。
ここで“理解の定着”を確認します。
⑤その日はそこで終わり
1ページを完璧に仕上げようとはしません。
量よりも「1つを確実にする」ことを優先します。
■ポイントは「繰り返すタイミング」
重要なのはここです。
・翌日にもう一度やる
・1週間後にもう一度やる
このように“時間を空けて繰り返す”ことで、初めて定着していきます。
その場で完璧にする必要はありません。
むしろ、その考え方の方が定着を妨げていると感じています。
■学校の授業とのつながり
もう一つ大事なのは「予習的な関わり方」です。
すべてを完璧に理解してから授業に臨む必要はありません。
むしろ、少しだけ先に触れておくことで、
・授業が“初見”ではなくなる
・1回目でも理解できる部分が出る
・授業への集中力が上がる
こうした変化が起きます。
結果として、学校の授業そのものの質が変わり、
それがテストの点数にもつながっていきます。
■最後に
以前の私は、「丁寧に説明すること」「考えさせること」が最も大事だと思っていました。
しかし今は少し違います。
大切なのは「理解させること」よりも、
「できる状態を何度も作ること」だと考えるようになりました。
そしてそれは、決して難しいことではなく、
やり方を少し変えるだけで実現できることでもあります。
塾としても、これからも「できる子を伸ばす」だけではなく、
「今はできないけれど、できるようになりたい子」をしっかり支えていきたいと思っています。
勉強が得意かどうかではなく、
“これからどう変わるか”。
そこに向かって頑張れる子を、これからも応援していきます。
[2026-05-05]